30-DELUX The Ninth Live「デスティニー」(2011/04/29 13:00/18:00)

舞台の初日初回公演を観られるなんて、私にとってそうある機会ではない。30-DELUXという集団はどうやら名古屋、というか中部圏に縁ある方が多いっぽいので*1、だからこその名古屋初日実現なのかなと思いました。風間さんは風間さんで、中学生日記収録あるから好都合だろうしね!(月二、三回は名古屋に通ってる、と前説で清水さんが言ってました)
とにかくアランくん萌え(※アラン=今回の風間さんの役名)を連ねた感想ですが、本編内容とかにもそれなりに触れてますのでご了承下さい。




これまで風間さんが演じてきた数々の役どころの中でも、アランくんは屈指の“かっこいい”キャラだと思います。
敵国に送り込まれた密偵…とりあえずこの設定だけでざわざわと萌えますよね!しかも8年間です。想像するに、十代(脳内設定では15〜6歳の頃に命を受けた事になってる)の頃から、少年密偵として地下に潜っているわけです。8年の間に、自分は一体どちら側に属する存在なのかがわからなくなってきている(敵方に対しても情がわいてきている)。唯一、自分の身元を保証してくれる存在をも亡くし、自暴自棄になりかける。それでも、翻弄されながらも、しっかりと己の任務は遂行していくのです。これが萌えられずにいられますか?
風間さんは相変わらずひときわ小柄で、しかもさらにやせ細ったように見えました(舞台上での運動量は、本当に凄いですから)。でもそれがかえって、“密偵”という役どころに説得力を持たせていたかなと。入り乱れる両軍の中をすり抜け、目標の敵に挑んでいく様は、体当たりの力技ではなくまさに“風”のような俊敏さでした。風間さん、運動神経には定評があるのでやってくれるだろうなとは思っていたけれど、その殺陣は私の期待以上でした。超えていました。
今回の舞台(特にテレピアホール)は、幅も奥行きも狭い中にかなりの傾斜を設けていて、役者さんがそこを全力で駆け抜けて戦います。役者さんが勢い余って客席に転がり落ちてこないか、何度も何度もヒヤヒヤするほどの激しさでした。でもそこは皆さんさすがのプロで、ギリギリのところでピタリと踏みとどまるのですが。その中でも風間さんは、全く体重を感じさせずひょいひょいクルクルとひときわ軽い身のこなしで、もんのすごくかっこよかった。私の中では、(嵐の)さとしダンスに迫ったね!どんだけ運動神経いいんだ!って話。
架空の異国設定という事で、衣装はどこかアジアンというかペルシャあたりっぽいというか…皆さん民族衣装でとても素敵だった(姫の衣装が可愛かった!)。頭にはバンダナだったりペンダント?だったり、何らかの巻物が。私がどんだけ巻物萌えの体質かご存知でしょうか*2(知りません)。そして、確信しました。風間さんには“二次元世界”がよく似合う。リアリティというよりはファンタジーが。アランくんはいわば“王様(@遊戯王)”ボイス(バリバリ作られたキャラ)。前回舞台「わたしは誰!?」では、等身大サラリーマンを演じていた風間さんですが、どうしても…どうしてもえなりくんと被って仕方なかった…(ネクタイ緩めながら愚痴るところとかさあ!)。風間さんに“普通”を演じさせるとこうなるのか…というのを身に染みて実感したから…(いや、悪い事ではないのですが、現在渡鬼のえなりくんがアレだけに)。


毛利さん(作・演出)の中にある“男のロマン”がギュッと凝縮された物語…そんな風に感じました。しかも、溢れすぎて収まりきらず、あれこれ端折って何とか二時間の尺に詰め込んだような。パンフレットのあらすじを読んだだけでも、ちょこちょこ設定変えたのかな…と思いましたし。その背景には、311震災の影響もあったのでしょう(稽古期間は、通常一ヶ月以上かけるところを三週間ほどだった、と仰ってました)。それでもって、今回のキャストは大部分が若い男性(女子は二人だけ)で、みんな毛利さんのロマンに同調して燃え上がってる。男は永遠に「心は少年」で、「少年ジャンプ」がバイブルなんですね!頭までどっぷり少女マンガ畑に浸かって育った私には、正直「ん?」と思う箇所や、歯がゆい箇所もいくつか。女性が「お人形のようなお姫さま」か「気の強い女戦士」の二択しかない(中間は存在しない)ような描かれ方だったのも少年マンガ的だなあと思いましたし。全体的に白か黒か、で奥行きをあまり感じさせない(感じる余裕がない)。伏線大好き込み入ったアナザーストーリー大好きな自分としては、物語が物足りなくて結果“役者を観に行っ
た”感が強く残りました。これは好みの問題で、またそれだけ、役者さんが皆さん魅力的だったという事ですが。
風間さん以外では、坂元さんが!超渋かっこよかった!!初代ライオンキング(シンバ)を演じられたとの事ですがなるほどなるほど。大振りをするでもなく声を張り上げるでもなく、なのにズシッと響く存在感。風間さんもゆくゆくはぜひぜひこんな感じに…と野望を抱かせてくれる役者さんを、またお一方知る事ができました!アツ兄は、いつまでもピュアで瑞々しい役が似合って凄い(今回は悪魔に魅入られていく役なので、ピュアなばかりでもないのだけど)。カーテンコールで、風間さんとニコニコ肩を叩き(抱き?)合う師弟関係に萌えあがった。


毎回言ってるように、カーテンコールで役を脱ぎ捨て素に戻った風間さんを見るのが個人的醍醐味なのですが(重い役どころが多いだけに、笑顔にすごくホッとする)、昼公演では珍しく抜け出せないまま出てきたような気がしました。アツ兄もしかり。これが初日初回というものなのかな。


まだまだ言い尽くせてない感ありますが。大阪公演も観に行く予定なので、その後にまた書く事があるかもしれません。
とにかくアランくん萌えがひどい。

*1:中核の清水さんが名古屋市、タイソンさんは三重県桑名市出身

*2:源太(@必殺仕事人)に萌えたぎったのも、額の赤い組み紐?オプションに依るところが大きい