そして幕開け第二章?

蒲田大千秋楽、終わってしまいました。かざまさんは剥き出しでした。セットらしいセットは何ひとつない黒い板上で、ただその身一つを歪め搾り出して吐き出して叩きつけて。日ごろ私たちが目にする“風間俊介”もまた、彼が演じてる像のひとつだと思うのですが、それらを全て取っさらったのが昨日の、大見せ場独白シーンの姿なのかもしれない(前楽に比べ楽では、また何かが剥がれ落ちてました)。正直なところ、芝居を観た、という感覚とは違います。身体の芯がぎゅっと掴まれる感覚は、一夜明けてなお、いやいっそう強くなってますが、それは“ヤス”の孤独とか絶望とかに共鳴したからではなく、かざまさんが何もかも脱ぎ捨てた姿をさらけ出してくれた事に対してじゃないかな。彼は十代で走りすぎてその結果色んなものを身にまといすぎて(これは保身の一種、だと私は思います)、それが年々ガチガチにこり固まって、このまま溶ける事はもう無いのかなと絶望したりしてました。そのこり固まったものが、この蒲田で溶けた。烈火のように燃え上がって。それを感じる事が出来てすごく嬉しかったのです。そして私も燃え上がった。
というわけで、いちかざまヲタの超感覚的な独白でした。とりあえず。